キャッシュフロー計算書とは
キャッシュフロー計算書(Cash Flow Statement)とは、企業の一会計期間におけるキャッシュフローの状況を利害関係者に報告するために作成される財務諸表をいいます。ちなみにキャッシュフローの状況とは、一会計期間にどれだけのキャッシュが流入し、どれだけのキャッシュが流出したのかをいいます。
なぜ、キャッシュフロー計算書が必要なのか?
キャッシュフロー計算書は「事業活動により獲得した現預金」を直接的に明らかにします。 したがってキャッシュフロー計算書は発生主義をベースとする現行制度会計の欠点を補うものとして需要な財務諸表として位置づけられています。
キャッシュフローとは?
キャッシュフローとは「資金の流れ」をいいます。しかし川の流れのような一方的な流れとは違います。水道の蛇口をひねってシンクに水を張ると同時にそのシンクから水が溢れ出ているイメージが一番キャッシュフローのイメージに近いです。
キャッシュフロー計算書のキャッシュとは?
キャッシュフロー計算書が対象とする資金の範囲は、「現金及び現金同等物」となります。これは概ね貸借対照表に記載されている現金預金とほとんど同じかそれよりやや少し広い概念となっています。
営業活動によるキャッシュフローとは?
営業活動によるキャッシュフローの区分はその会社の本業の営業活動の成果を示します。具体的には営業活動によるキャッシュフローが100万円であればその会社は本業の営業活動から100万円のキャッシュを稼いだということになります。
投資活動によるキャッシュフローとは?
投資活動によるキャッシュフローはその会社が将来の利益獲得のためにどの程度の未来投資を行ったのか、または余剰資金の運用活動によりどの程度資金が流出入したのかを示します。
財務活動によるキャッシュフローとは?
財務活動によるキャッシュフローはその会社がどの程度の資金を借入金等として外部から調達し、逆にどの程度の資金の返済を行ったか等を示します。
フリーキャッシュフローとは?
フリーキャッシュフローは経営者の経営判断により自由に使途を決めることが可能な資金を意味します。自由に使途を決めることができるとは銀行融資に頼らず自前の資金で新規事業投資を行ったり設備投資を行うことができることを意味します。当然フリーキャッシュフローは多ければ多いほどポジティブな要素となります。
フリーキャッシュフローの最大化を重視するキャッシュフロー経営の立場では非常に重視される指標です。フリーキャッシュフローは営業キャッシュフローから投資キャッシュフローを差し引いて計算します。
直接法キャッシュフロー計算書とは?
直接法キャッシュフロー計算書は、資金の流入と資金の流出とを直接足し引きしてその差額として営業活動によるキャッシュフローを表示する方法です。
間接法キャッシュフロー計算書とは?
間接法キャッシュフロー計算書は、損益計算書の当期純利益を出発点とし、そこにキャッシュフローに関連する調整を加えることで誘導的に営業活動によるキャッシュフローを表示する方法です。
黒字倒産とは?
黒字倒産とは、黒字会社が倒産してしまうことをいいます。
ちなみに黒字会社とは損益計算書で利益が出ていてる会社をいいますが損益計算書で利益が出ている優良な会社が不思議なことに倒産してしまうのが黒字倒産です。
資金繰りとは?
資金繰りとは、資金の残高が不足して資金がショートすることがないよう資金の残高を管理し、資金残高の不足が見込まれる場合には事前に対策を立てて資金をやりくりすることをいいます。
ちなみに資金繰り表は主に将来の予測であるのに対してキャッシュフロー計算書は過去の情報であるというように両者は共に資金を扱いますが根本的に内容は異なります。
キャッシュフロー計算書と企業会計との関連
現行制度会計は発生主義をベースとしています。発生主義とは、費用・収益の認識を現金収支という事実にとらわれることなく合理的な期間帰属を通じて期間業績を反映させる損益計算の方式です。 そのため、損益計算書において計算される利益と事業活動により獲得した現預金は異なります。それに対してキャッシュフロー計算書は「事業活動により獲得した現預金」を直接的に明らかにします。 つまりキャッシュフロー計算書は発生主義をベースとしている現行制度会計の欠点を補うものとして需要な財務諸表となっています。 もう少し詳しく解説しますと ...
間接法キャッシュフロー計算書とは
間接法キャッシュフロー計算書とは、損益計算書の当期純利益を出発点とし、そこにキャッシュフローに関連する調整を加えることで誘導的に営業活動によるキャッシュフローを表示する方法です。 なお、損益計算書の収益及び費用は、資金の収支ではなく発生ベースに基づき計上されています。したがって損益計算書の当期純利益をスタート地点としてキャッシュフロー計算書を作成するためには、発生ベースで計算された利益を資金の収支ベースに修正する必要があります。 上記を前提に間接法によりおおまかに営業活動キャッシュフローを計算すると次のと ...
直説法キャッシュフロー計算書とは
直説法キャッシュフロー計算書とは、資金の流入と資金の流出とを直接足し引きしてその差額として営業活動によるキャッシュフローを表示する方法です。 直説法キャッシュフロー計算書は、資金の収入と支出とをキャッシュフロー計算書上で直接加減算して営業キャッシュフローを表示するため、その会計期間におけるその会社のキャッシュフローの収支の全貌が把握しやすく、キャッシュフローの将来的な予測が行いやすいという利点があります。 直説法の長所 直説法は、収支の全貌を把握しやすく、将来的なキャッシュフローの予測をする際に便利という ...
間接法と直接法の違いと日本会計基準とIFRSについて
キャッシュフロー計算書には間接法キャッシュフロー計算書と直接法キャッシュフロー計算書という二つの様式があります。それぞれ次の通りです。 間接法キャッシュフロー計算書とは 間接法キャッシュフロー計算書は、損益計算書の当期純利益を出発点とし、そこにキャッシュフローに関連する調整を加えることで誘導的に営業キャッシュフローを表示する方法です。 直説法キャッシュフロー計算書とは それに対して直接法キャッシュフロー計算書は、資金の流入と資金の流出とを直接足し引きして、その差額として直接的に営業活動によるキャッシュフロ ...
キャッシュフローとは資金の流れをいう
キャッシュフローとは キャッシュフロー計算書とは我が国において2000年から導入された新しい財務諸表です。 そしてキャッシュフロー計算書が報告の対象としているのはキャッシュフローの状況です。 ちなみにキャッシュフローは英語ではcash flowとなりますが、cashのflowという言葉通り資金の流れのことを意味します。 しかし「流れ」をどうイメージするかは人によって若干違うかもしれません。今回はそのあたりの話です。 流れ=循環 キャッシュフロー計算書におけるキャッシュフロー(資金の流れ)とは、川の水や蛇口 ...
キャッシュフロー計算書とは
キャッシュフロー計算書(Cash Flow Statement)とは、企業の一会計期間におけるキャッシュフローの状況を利害関係者に報告するために作成される財務諸表をいいます。ちなみにキャッシュフローの状況とは、一会計期間にどれだけのキャッシュが流入し、どれだけのキャッシュが流出したのかをいいます。 キャッシュフロー計算書とは キャッシュフロー計算書とは、会社の現金及び現金同等物(=資金、キャッシュ)の出入りを一定の活動区分別にまとめた報告書です。 もう少し具体的に書きますと、貸借対照表の現金や預金といった ...
損益計算書は会社の実態を示さない場合がある
損益計算書の目的な適正な期間損益計算 現行の企業会計において損益計算書は、適正な期間損益計算を行い、正確な収益力を表示することを目的としています。したがって収益は販売の時点で、売上原価は売上高との対応により計上されます。 このように発生主義により損益計算を行うことにより適正な期間損益計算が可能となり、損益計算書において正確な収益力を表示することが可能となります。 損益計算書は会社の実態を示さない場合がある 損益計算書における損益計算の仕組みはとても合理的でよく考えられており、素晴らしいと思います。しかし、 ...
営業活動によるキャッシュフロー
株式会社などの事業会社の目的は利益を稼ぐことですが、事業活動には様々な経費の発生を伴います。そしてその必要経費は現預金(キャッシュ)の流出として会社の預金口座から出ていきます。 したがって、会社は利益を稼ぐことのみならず、事業を維持していくためには、経費を賄うための現預金(キャッシュ)を稼ぐ必要があります。 キャッシュフロー計算書の営業活動によるキャッシュフローにはその経費を賄うために必要な現預金(キャッシュ)をその会社が本業の営業活動からどの程度稼いだのかが現れます。 営業活動によるキャッシュフローの具 ...
投資活動によるキャッシュフロー
株式会社などの事業会社の目的は利益を稼ぐことですが、事業活動には様々な経費の発生を伴います。そしてその必要経費は現預金(キャッシュ)の流出として会社の預金口座から出ていきます。 したがって、会社は利益を稼ぐことのみならず、事業を維持していくためには、経費を賄うための現預金(キャッシュ)を稼ぐ必要があります。 キャッシュフロー計算書の営業活動によるキャッシュフローにはその経費を賄うために必要な現預金(キャッシュ)をその会社が本業の営業活動からどの程度稼いだのかが現れます。 投資活動によるキャッシュフローの具 ...
財務活動によるキャッシュフロー
株式会社などの事業会社の目的は利益を稼ぐことですが、事業活動には様々な経費の発生を伴います。そしてその必要経費は現預金(キャッシュ)の流出として会社の預金口座から出ていきます。 したがって、会社は利益を稼ぐことのみならず、事業を維持していくためには、経費を賄うための現預金(キャッシュ)を稼ぐ必要があります。 キャッシュフロー計算書の営業活動によるキャッシュフローにはその経費を賄うために必要な現預金(キャッシュ)をその会社が本業の営業活動からどの程度稼いだのかが現れます。 また、設備投資を行う場合など、あら ...
フリーキャッシュフローとは
フリーキャッシュフローとは、一般的に経営者の経営判断により自由に使途を決めることが可能な資金であると言われているものです。 自由に使途を決められる資金とは 経営者の経営判断により自由に使途を決めることが可能な資金とは、その会社が本業のビジネスで稼いだ資金のうち、現事業を維持するために必要な支出を考慮した後の余剰を意味しますが、営業キャッシュフローから、現事業維持のために投資に回したキャッシュフローを差し引いて計算されます。 営業キャッシュフロー フリーキャッシュフローとは、一般的に銀行融資などに頼らず自由 ...
キャッシュフロー経営についてよくある勘違い
株式会社などの営利法人は通常、株主からの出資や銀行借入などにより調達した資本を事業活動に投資することで売上を稼いで利益を獲得することを事業活動の究極的な目的としています。 そして事業活動には運転資本が必ず必要で、会社の短期的な決済のためには常に一定額の手元現金を確保する必要があります。これら運転資本や手元現金は事業活動に必須でありながら資本効率を考えると過大な場合は無駄であるため適正な水準で管理する必要があります。 キャッシュフロー経営とは、損益計算書の当期純利益を重視するのは当たり前のこととして、手元現 ...
もっと見る
キャッシュフロー計算書の調整:仕入債務
仕入債務 仕入債務には主に買掛金と支払手形がそれに該当します。 買掛金とは商品を仕入先から仕入れた場合に支払いを現預金で行なわずに月末締め翌月末払いというような取引慣行に基づきまだ支払っていない代金の未払額をいいます。 キャッシュフロー計算書作成にあたり調整が必要な理由 商品を仕入れて損益計算書に売上原価が計上されていても代金が未払いで買掛金として残っている限りは資金の流出になっていません。 しかし発生主義会計を採用する現行制度会計上、商品の仕入れは代金の支払い時点とは無関係に費用計上され、利益からマイナ ...
キャッシュフロー計算書の作成に必要な書類
キャッシュフロー計算書の作成第一段階は必要資料を集めることです。 このページではキャッシュフロー計算書の作成に必要な資料について解説します。ちなみに、間接法を前提としています。 絶対必要:貸借対照表と損益計算書 キャッシュフロー計算書とは前期末の貸借対照表の手元資金から当期末の貸借対照表の手元資金に至った過程を原因別に集計したものです。 したがって、前期末と当期末の貸借対照表は必ず必要です。 さらに、間接法キャッシュフロー計算書は損益計算書の税引後当期純利益をスタート地点とします。 したがって、当期の損益 ...
キャッシュフロー計算書の調整:法人税等
法人税等とは、一般的には、利益に対して課せられる法人税、住民税、その他利益を課税標準とする事業税が該当します。 法人税等は企業の各事業年度の利益に対して課されるものであるため、企業会計上、利益と法人税等との対応関係を重視し、損益計算書において税引前の利益からそれに対応する法人税等を差し引く形で税引後利益を計算表示する仕組みになっています。 しかし、法人税等は事業年度終了後2ヶ月以内に提出する税務申告により金額が確定するものであるため、当期に発生した法人税等の支払いは翌期以降に行なわれることとなります。した ...
キャッシュフロー計算書の調整:棚卸評価損・減耗損
棚卸資産評価損とは、棚卸資産の期末時価が帳簿価額より下落したため、時価と帳簿価額との差額を評価損として計上したものです。 それに対して棚卸減耗損とは、棚卸資産の決算時における帳簿上の有高が実地棚卸による実際有高より不足していた場合のその不足数量に対応する棚卸資産の取得価額を損失計上したものです。 棚卸資産評価損のキャッシュロー計算書における調整 棚卸資産評価損と棚卸減耗損は共に損益計算書において費用として計上されていますが、資金の流出を伴っていない費用であるため、間接法によりキャッシュフロー計算書を作成す ...
キャッシュフロー計算書の調整:支払利息
支払利息は、営業キャッシュフローの区分の仮計の上でいったんマイナスで記載して費用計上額を取り消し、支払利息として実際に支払った金額を第1法の場合は仮計の下に、第2法の場合は財務活動によるキャッシュフローの区分に記載します。 営業と財務の区分に記載する方法 受取利息、受取配当金及び支払利息は「営業活動によるキャッシュフロー」の区分に記載 支払配当金は「投資活動によるキャッシュフロー」の区分に記載 投資と財務の区分に記載する方法 受取利息及び受取配当金は「投資活動によるキャッシュフロー」の区分に記載 支払利息 ...
キャッシュフロー計算書の調整:受取利息・配当金
受取利息とは、会社が金銭を他の会社等に貸付けた場合に、その貸付先から貸付けに係る対価として受け取る利息をいいます。 それに対して受取配当金とは、会社が株式や投資信託等を購入して投資を行なった場合に、その投資先から利益の分配として受け取る配当金をいいます。 受取利息及び受取配当金は、企業会計上、実際に利息や配当金として入金した時点ではなく、適正な期間損益計算のために当事業年度に帰属する金額が損益計算書に受取利息又は受取配当金として計上されています。 したがってキャッシュフロー計算書の作成にあたっては、損益計 ...
キャッシュフロー計算書の調整:減価償却
減価償却費とは、固定資産取得後、費用配分の原則に基づき、固定資産の取得原価を減価償却費として、その耐用期間にわたる各事業年度に配分したもので、現金の流出を伴わない費用です。 減価償却費は現金の支出を伴っていませんが、損益計算書において費用として計上されるため、減価償却費の分だけ税引前当期純利益は減少しています。 したがって、損益計算書に費用として計上されている減価償却費は、費用として利益のマイナス要因となっていますが資金の流出を伴っていないため間接法によるキャッシュフロー計算書の作成にあたり加算します。 ...
キャッシュフロー計算書の調整:手形割引
手形割引とは、商品などを販売して取得してその対価として取得した受取手形を手形期日前に現金化するために銀行に持ち込み、当日から手形の決済日までの日数に応じた一種の利息である手形割引料を支払うことで早期に現金化することをいいます。したがって資金の流入が発生するためキャッシュフロー計算書においてキャッシュの増加として記載されます。 手形割引のキャッシュロー計算書における調整 手形割引は、経済的な実質は手形を担保とした銀行借入による資金調達と同質であると考えられますが、キャッシュフロー計算書においては資金調達とし ...
キャッシュフロー計算書の調整:固定資産の取得
固定資産を購入した場合、代金を現金又は預金の口座振込み等で全額支払った場合には、その支払った日の属する事業年度において、固定資産の取得によるキャッシュフローとして投資活動によるキャッシュフローの部に記載されます。それに対して、その固定資産の購入に際してその購入日と代金の決済日が事業年度をまたいでしまった場合や、割賦購入をした場合のキャッシュフロー計算書の記載は次のようになります。 固定資産を取得時一括払いで購入した場合 機械を購入し、その検収と同時に代金を現金一括払いで購入した場合には上述のとおり、その取 ...
キャッシュフロー計算書の調整:棚卸資産
棚卸資産とは販売することにより利益を獲得することを目的として保有している資産をいいます。販売目的資産です。 具体的にはコンビニに陳列されている商品やアマゾン倉庫で注文を待っている状態の在庫商品などがそれに該当します。不動産販売会社が所有する土地も棚卸資産となります。 キャッシュフロー計算書作成にあたり調整が必要な理由 棚卸資産は販売されることにより会社に利益をもたらしますが、仕入れてから販売されるまでのあいだ、貸借対照表に資産として計上されている期間はその購入に充てた資金が在庫として滞留していることを意味 ...
キャッシュフロー計算書の調整:貸倒引当金
仕入債務には主に買掛金と支払手形がそれに該当します。 買掛金とは商品を仕入先から仕入れた場合に支払いを現預金で行なわずに月末締め翌月末払いというような取引慣行に基づきまだ支払っていない代金の未払額をいいます。 キャッシュフロー計算書作成にあたり調整が必要な理由 商品を仕入れて損益計算書に売上原価が計上されていても代金が未払いで買掛金として残っている限りは資金の流出になっていません。 しかし発生主義会計を採用する現行制度会計上、商品の仕入れは代金の支払い時点とは無関係に費用計上され、利益からマイナスされます ...
キャッシュフロー計算書の調整:売上債権
売上債権とは、主に売掛金と受取手形により構成されています。売掛金とは商品を得意先に信用販売したことに基づく売上代金の未回収額です。 キャッシュフロー計算書作成にあたり調整が必要な理由 商品を売り上げて損益計算書に売上高が計上されていても代金が未回収で売掛金として残っている限りは資金の流入にはなっていません。 しかし発生主義会計を採用する現行の制度会計上、現預金等として回収した時点ではなく商品を相手方に引き渡して販売が実現した時点で収益計上されます。そしてそれが利益を構成します。 したがって間接法によりキャ ...
キャッシュフロー計算書の中小企業の作成義務
上場会社等はキャッシュフロー計算書の作成義務あり キャッシュフロー計算書は、金融商品取引法の適用を受ける上場会社等においてその作成・開示が義務付けられています。 中小企業はキャッシュフロー計算書の作成義務なし それに対して中小企業はキャッシュフロー計算書を作成する義務がありません。 中小企業でもキャッシュフロー計算書を作ると有効? ちなみに中小企業の場合にはキャッシュフロー計算書を作成しなくても経営者の頭の中にはだいたいこんなもんだろうというキャッシュフローの状況がイメージとして必ずあるものです。したがっ ...
間接法キャッシュフロー計算書の作成
キャッシュフロー計算書の作成は下記のような精算表を使用して キャッシュフロー計算書の精算表(ベーシック版) キャッシュフロー計算書の精算表(ベーシック版に組替表付属) キャッシュフロー計算書の精算表(簡易版) キャッシュフロー計算書の精算表(さらに簡易版) 下記のような調整項目について 売上債権の調整 貸倒引当金の調整 仕入債務の調整 棚卸資産の調整 割賦購入の調整 手形割引関係の調整 減価償却費の調整 受取利息等の調整 支払利息の調整 評価損等の調整 法人税等の調整 下記の手順で調整を行っていくことで作 ...
キャッシュフロー計算書のキャッシュとは
キャッシュフロー計算書作成の第二段階はキャッシュの範囲を決定することです。 このページではキャッシュフロー計算書のキャッシュの定義について解説します。 キャッシュは現金だが現金ではない 「Cash」とは、社会通念上は「現金」だとされているものです。 しかし、会計用語としての「cash」は短期的な支払手段を意味します。 キャッシュの範囲は会計基準に規定 キャッシュフロー計算書は財務諸表の一つを構成し、金融商品取引法の適用を受ける上場会社等にあってはその作成と公開が義務付けられているものです。 したがってキャ ...
キャッシュフロー計算書の作成義務
キャッシュフロー計算書の作成が強制されている会社 キャッシュフロー計算書は金融商品取引法の適用を受ける上場会社等においてその作成・開示が義務付けられています。具体的なその範囲としては、株式公開会社と非上場会社で会計監査人を設置している会社です。これらの会社はキャッシュフロー計算書の作成・公開が強制的に義務付けられています。 これは税効果会計の適用が強制されれている会社の範囲と同じです。 中小企業はキャッシュフロー計算書の作成義務なし それに対して、金融商品取引法の適用を受けない中小企業においてキャッシュフ ...
もっと見る
黒字倒産:真の原因は過剰在庫
話を元に戻します。株式会社アーバン・コーポレイションのように会社が黒字倒産してしまうのは単なる「勘定あって銭足らず」だからではありません。前述のとおりその程度じゃ会社は倒産しません。 株式会社アーバン・コーポレイションの事例が黒字倒産の典型例のような事例なので株式会社アーバン・コーポレイションを例にあげますが、株式会社アーバン・コーポレイションは倒産事業年度を除き、直近5年間くらい損益計算書上はずっと黒字となっていました。 しかし、営業キャッシュフローが直近5年間ずっと大幅にマイナスとなっていました。 つ ...
勘定あって銭足らず
勘定あって銭足らず 勘定合って銭足らずとは、会社の資金が一時的ショート(不足)してしまうことをいいます。ちなみに資金とは、より具体的には運転資本となります。 通常、会社は月商の数カ月分の現預金を支払いに充てるため準備等として銀行口座に預金しています。これが運転資本です。 その運転資本を超える支払が一時的にでも発生すると資金がショートします。ちなみにこれが勘定あって銭足らず状態です。 さらにその支払いが支払手形である場合には手形不渡りとなります。 手形不渡りは一発アウト ちなみに手形不渡りを6ヶ月以内に2回 ...
黒字倒産とは
黒字倒産とは、黒字会社が倒産してしまうことをいいます。 ちなみに黒字会社とは損益計算書で利益が出ていてる会社をいいます。損益計算書で利益が出ているといことは業績も好調で優良な会社のはずです。それなのに、そんな優良なはずの会社が不思議なことに倒産してしまうのが黒字倒産です。 近年でいうと株式会社アーバン・コーポレイションの倒産が記憶に新しいところだと思います。 黒字倒産の原因 黒字倒産というと「勘定あって銭足らず」などとよく言われますが運転資本の一時的なショートが原因であると説明されることが多いです。 しか ...
資金繰り表を活用した資金管理
資金繰り表の作成は、説明するまでもなくExcelを使うのが便利です。その場合、売上入金ひとつとっても、得意先別に、かつ得意先別の売掛金回収タイミング等も考慮して資金繰り表を作成することができるため、より詳細な予測が可能になります。 なお、資金繰り表を作成するのが一人会社の社長というように事業の流れ全てを掌握している人物がであれば問題ないのですが、そうではなく、財務部が中心となって営業部等と連携して作成するというような場合には、営業部等との他部署との連携が必要になってきます。 その際、営業部が作成した売上計 ...
資金調達の方法
資金調達(Financing)の方法にはにはおおまかに次の二つがあります。 間接金融による資金調達 直接金融による資金調達 間接金融による資金調達で最も代表的なものが銀行融資で、直接金融による資金調達で最も代表的なものがCPや株式発行です。ただし中小企業が資金調達をする場合には、ほとんどが間接金融である銀行融資や公的融資となります。 まとめると次のとおりです。 資金調達方法のまとめ 間接金融 銀行借入 銀行から借り入れ(運転資金、設備投資資金) 公的融資 政府系金融機関等から借り入れ 社債発行 長期社債、 ...
黒字の会社の資金繰り
黒字の会社で毎期利益が出ている会社であっても、通常ほとんどの会社は現預金として資金をそのまま預金口座に寝かせておくことはしません。 設備投資を行なったり、定期預金や投資信託等で一時的に運用を行なったりといった資金の運用(Investment)を行います。 したがって黒字会社であっても運転資本として手許にある資金は必要程度しかないのが普通であるため、黒字会社であっても運転資本残高を資金繰り表により管理する必要があります。 資金が不足する要因 資金が不足する要因は必ずしも本業の業績 ...
資金不足の会社の資金繰り
作成した資金繰り表から一時的に資金が不足すると予測される場合には、その原因を調査し、その原因に応じ次のような対策を取ります。 設備投資の計画がある場合 設備投資資金の融資を銀行に申し込む 売上増により運転資本が不足場合 運転資本の融資を銀行に申し込む 過剰在庫がある場合 過剰在庫の早期解消を目指すと同時に運転資本の融資を銀行に申し込む 滞留債権がある場合 滞留債権の早期回収を目指すと同時に運転資本の融資を銀行に申し込む なお銀行融資は申し込みから決定までにある程度の日数を要します。したがって ...
資金繰りとは
資金繰りとは、資金の残高が不足して資金がショートすることがないよう資金の残高を管理し、資金残高の不足が見込まれる場合には事前に対策を立てて資金をやりくりすることをいいます。 最も重要なのは在庫管理 なお、資金繰りとは資金そのものの管理、数字とのにらめっこであると誤解してる方がいるかもしれませんが資金繰りはそれだけではありません。 むしろ資金繰りが悪化して黒字倒産する会社のほとんど全てが過剰在庫を原因とする資金繰り悪化で倒産していることを考えると資金繰りで最も重要なことは適切な「在庫管理」であるといっても過 ...
もっと見る