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2025/2/3

キャッシュフロー計算書と企業会計との関連

現行制度会計は発生主義をベースとしています。発生主義とは、費用・収益の認識を現金収支という事実にとらわれることなく合理的な期間帰属を通じて期間業績を反映させる損益計算の方式です。 そのため、損益計算書において計算される利益と事業活動により獲得した現預金は異なります。それに対してキャッシュフロー計算書は「事業活動により獲得した現預金」を直接的に明らかにします。 つまりキャッシュフロー計算書は発生主義をベースとしている現行制度会計の欠点を補うものとして需要な財務諸表となっています。 もう少し詳しく解説しますと ...

2025/2/1

キャッシュフロー計算書の調整:仕入債務

仕入債務 仕入債務には主に買掛金と支払手形がそれに該当します。 買掛金とは商品を仕入先から仕入れた場合に支払いを現預金で行なわずに月末締め翌月末払いというような取引慣行に基づきまだ支払っていない代金の未払額をいいます。 キャッシュフロー計算書作成にあたり調整が必要な理由 商品を仕入れて損益計算書に売上原価が計上されていても代金が未払いで買掛金として残っている限りは資金の流出になっていません。 しかし発生主義会計を採用する現行制度会計上、商品の仕入れは代金の支払い時点とは無関係に費用計上され、利益からマイナ ...

2025/2/2

キャッシュフロー計算書の作成に必要な書類

キャッシュフロー計算書の作成第一段階は必要資料を集めることです。 このページではキャッシュフロー計算書の作成に必要な資料について解説します。ちなみに、間接法を前提としています。 絶対必要:貸借対照表と損益計算書 キャッシュフロー計算書とは前期末の貸借対照表の手元資金から当期末の貸借対照表の手元資金に至った過程を原因別に集計したものです。 したがって、前期末と当期末の貸借対照表は必ず必要です。 さらに、間接法キャッシュフロー計算書は損益計算書の税引後当期純利益をスタート地点とします。 したがって、当期の損益 ...

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2025/1/25

キャッシュフロー計算書のExcelテンプレート(簡易版)

間接法キャッシュフロー計算書のExcelテンプレート「簡易版」です。 詳細版より項目数を減らして行間を大きく取ることでより見やすくレイアウトしています。3期分のキャッシュフローを表示してその推移を比較することができます。Excelファイルには罫線のあるものと罫線のないすっきりした見た目のシートがあるためお好みのシートをご利用ください。 また、この簡易版のキャッシュフロー計算書のExcelテンプレートよりさらに項目を減らしたよりシンプルなテンプレートとして別ページにて中小企業用キャッシュフロー計算書も公開し ...

2025/2/1

キャッシュフロー計算書の調整:法人税等

法人税等とは、一般的には、利益に対して課せられる法人税、住民税、その他利益を課税標準とする事業税が該当します。 法人税等は企業の各事業年度の利益に対して課されるものであるため、企業会計上、利益と法人税等との対応関係を重視し、損益計算書において税引前の利益からそれに対応する法人税等を差し引く形で税引後利益を計算表示する仕組みになっています。 しかし、法人税等は事業年度終了後2ヶ月以内に提出する税務申告により金額が確定するものであるため、当期に発生した法人税等の支払いは翌期以降に行なわれることとなります。した ...

2025/2/1

キャッシュフロー計算書の調整:棚卸評価損・減耗損

棚卸資産評価損とは、棚卸資産の期末時価が帳簿価額より下落したため、時価と帳簿価額との差額を評価損として計上したものです。 それに対して棚卸減耗損とは、棚卸資産の決算時における帳簿上の有高が実地棚卸による実際有高より不足していた場合のその不足数量に対応する棚卸資産の取得価額を損失計上したものです。 棚卸資産評価損のキャッシュロー計算書における調整 棚卸資産評価損と棚卸減耗損は共に損益計算書において費用として計上されていますが、資金の流出を伴っていない費用であるため、間接法によりキャッシュフロー計算書を作成す ...

2025/2/1

キャッシュフロー計算書の調整:支払利息

支払利息は、営業キャッシュフローの区分の仮計の上でいったんマイナスで記載して費用計上額を取り消し、支払利息として実際に支払った金額を第1法の場合は仮計の下に、第2法の場合は財務活動によるキャッシュフローの区分に記載します。 営業と財務の区分に記載する方法 受取利息、受取配当金及び支払利息は「営業活動によるキャッシュフロー」の区分に記載 支払配当金は「投資活動によるキャッシュフロー」の区分に記載 投資と財務の区分に記載する方法 受取利息及び受取配当金は「投資活動によるキャッシュフロー」の区分に記載 支払利息 ...

2025/2/1

キャッシュフロー計算書の調整:受取利息・配当金

受取利息とは、会社が金銭を他の会社等に貸付けた場合に、その貸付先から貸付けに係る対価として受け取る利息をいいます。 それに対して受取配当金とは、会社が株式や投資信託等を購入して投資を行なった場合に、その投資先から利益の分配として受け取る配当金をいいます。 受取利息及び受取配当金は、企業会計上、実際に利息や配当金として入金した時点ではなく、適正な期間損益計算のために当事業年度に帰属する金額が損益計算書に受取利息又は受取配当金として計上されています。 したがってキャッシュフロー計算書の作成にあたっては、損益計 ...

2025/2/1

キャッシュフロー計算書の調整:減価償却

減価償却費とは、固定資産取得後、費用配分の原則に基づき、固定資産の取得原価を減価償却費として、その耐用期間にわたる各事業年度に配分したもので、現金の流出を伴わない費用です。 減価償却費は現金の支出を伴っていませんが、損益計算書において費用として計上されるため、減価償却費の分だけ税引前当期純利益は減少しています。 したがって、損益計算書に費用として計上されている減価償却費は、費用として利益のマイナス要因となっていますが資金の流出を伴っていないため間接法によるキャッシュフロー計算書の作成にあたり加算します。 ...

2025/2/1

キャッシュフロー計算書の調整:手形割引

手形割引とは、商品などを販売して取得してその対価として取得した受取手形を手形期日前に現金化するために銀行に持ち込み、当日から手形の決済日までの日数に応じた一種の利息である手形割引料を支払うことで早期に現金化することをいいます。したがって資金の流入が発生するためキャッシュフロー計算書においてキャッシュの増加として記載されます。 手形割引のキャッシュロー計算書における調整 手形割引は、経済的な実質は手形を担保とした銀行借入による資金調達と同質であると考えられますが、キャッシュフロー計算書においては資金調達とし ...