営業活動によるキャッシュフロー(営業キャッシュフロー)営業活動によるキャッシュフローはその会社が本業の営業活動からどれだけのキャッシュを稼いだのかを示します。 営業活動によるキャッシュフローの構成営業活動によるキャッシュフローは、具体的には次のようなもので構成されています。
営業キャッシュフローにはその他雑多なものも含む営業活動によるキャッシュフローには法人税等の支払や、保険金収入、そして損害賠償金の支払いといった投資活動や財務活動には該当しないその他の取引によるキャッシュフローも含まれます。 営業キャッシュフローが営業利益よりも多い営業活動によるキャッシュフローがプラスである場合はその会社が本業の営業活動から資金を獲得できていることを示し本業の営業活動が順調であるいうことを意味します。 営業キャッシュフローが営業利益未満営業活動によるキャッシュフローがプラスである場合は前述のとおりその会社が本業の営業活動から資金を獲得できていることを示し本業の営業活動が順調であるいうことを意味しますが、営業活動によるキャッシュフローが損益計算書の営業利益に満たない場合には、キャッシュフローが利益を下回っていることから利益がキャッシュの増加に裏付けられておらず、利益の質が低いことから要注意▲と判断できます。 営業キャッシュフローがマイナス営業活動によるキャッシュフローがマイナスになっている場合は、その会社が本業の営業活動により資金を獲得することができず、事業活動を行えば行うほどどんどん資金が流出してしまっていることを意味します。後述するような例外ケースもありますが一般的には投資不適格×です。 営業キャッシュフローマイナスにより有利子負債が増加する営業活動によるキャッシュフローがマイナスになっているということは、本業の事業活動を継続していくために銀行等から借入れを行ったり手持ち資金を減らしつつなんとか資金繰りをやりくりしている状態に過ぎません。 最悪の場合には会社の清算なども視野に営業活動によるキャッシュフローのマイナスが単なる一時的なものであれば、前述のとおり資金の内部留保を使ったり、外部から資金を補う等の資金繰りによりその場しのぎはできます。しかし将来的にずっとこういった傾向が続く見込みで、業績が回復する見通しが全く立たないというであれば会社の清算といったことも検討にいれたほうがよいかもしれません。 営業キャッシュフローマイナスでも問題ない場合があるなお、営業活動によるキャッシュフローがマイナスであっても、その会社が成長過程にある場合には一概に悪い状況とはいえません。 営業キャッシュフローを利用した財務分析営業キャッシュフローは損益計算書の利益とは異なり、資金的な裏付けのある利益といえます。したがって、一般的な財務分析指標の一部分を営業キャシュフローに置き換えてアレンジすることでより現実味のある財務分析を行うことが可能となります。 キャッシュフローマージンその代表的なものが「キャッシュフローマージン」です。キャッシュフローマージンとは、営業キャッシュフローを売上高で除したもので、本業の営業活動の規模を表す売上高からどの程度本業の営業活動からキャッシュを稼いでいるのかを分析することができます。 当期純利益対営業キャッシュフロー比率その他に、当期純利益を営業キャッシュフローで除した「当期純利益対営業キャッシュフロー比率」は当期純利益と営業キャッシュフローの関係を示し、比率が低ければ低いほど当期純利益に占める営業キャッシュフローの割合が多いことになりより望ましい状況であることを意味します。 債務償還年数債務償還年数とは、有利子負債を営業キャッシュフローで除したもので、有利子負債を営業キャッシュフローで返済するとした場合に何年間で返済できるかを示します。したがって、債務償還年数が短かければ短いほど、その会社が倒産する危険性は少なく、安全性が高いと判断することができます。 事例問題:営業キャッシュフローの金額A社は当月、200円で仕入れた商品を500円で販売し、家賃と給料を合計で50円支払った。受取利息はない。法人税等は30円と見積もられる。この場合の営業キャッシュフローを計算はいくらになるでしょうか?
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