キャッシュフロー計算書の読み方

キャッシュフロー計算書と企業会計との関連

2025年1月26日

現行制度会計は発生主義をベースとしています。発生主義とは、費用・収益の認識を現金収支という事実にとらわれることなく合理的な期間帰属を通じて期間業績を反映させる損益計算の方式です。

そのため、損益計算書において計算される利益と事業活動により獲得した現預金は異なります。それに対してキャッシュフロー計算書は「事業活動により獲得した現預金」を直接的に明らかにします。

つまりキャッシュフロー計算書は発生主義をベースとしている現行制度会計の欠点を補うものとして需要な財務諸表となっています。

もう少し詳しく解説しますと、例えば損益計算書で当期10億円利益が計算されていたとしてもそれは計算上の利益に過ぎず実際の現預金増加高とは無関係なんです。しかしキャッシュフロー計算書上でもそれに近い金額のキャッシュフローが計算されているならば損益計算書の利益には資金的な裏付けがあると判断できます。

逆に損益計算書では10億円の利益が計算されているもののキャッシュフロー計算書ではマイナスになっている場合だってあります。例えば過剰在庫を抱えているケースなどが該当しますが。この場合には例え利益が10億円の大黒字だとしても実際には要注意だと言えます。

-キャッシュフロー計算書の読み方